おいしい思ひ出 8
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北海道の豆たち
デパートは計画停電で突然6時に締めてしまうので、おもにデパ地下で野菜を買う私は困惑する。
まあ、2~3日野菜食べなくてもどうってことないわよ。牛乳と卵は手に入ったし。豆、たくさんあるし。
先日行った十勝・鹿追町の道の駅で買ってきた豆たち。
十勝に行くと、じつにたくさんの知らない豆が売られていて、しかし買いたくても1袋の量が多く、
1人暮らしの私にはためらわれて買えなかった。
鹿追の道の駅に<おためし>の少量のパックが売られていて、思わずいろいろ買ってきた。
小さくて… いとおしいそれぞれの豆たち。
小豆は早速ゆで小豆にしていただいちゃった。
小粒だったが、おいしかった。
この豆たちを茹でて食べたら、私なら十分2週間ぐらいはもつのだ。
“栗豆” という知らない豆を茹でてみた。
お砂糖をちょっと入れて煮豆に。
スープにもサラダにも使えそうな、デンプン質と同時にどこかサクッとした食感があるおいしい豆だった。
豆たちには、北海道に渡った人々の、苦労と努力の歴史の結晶が透けて見える。
いとおしい小さな豆たち。
雑司が谷 「キアズマ珈琲」
昨日降った雪はもうすでに溶けて、名残は日影にほんの少しばかり。
鬼子母神のあたり、もうそろそろ梅が咲いているかな?などとおしゃべりしながら。
あ! ほらほら、このお宅の玄関前の植木鉢!
春の足音!
静かなところでおいしいコーヒーをいただきましょう。
落ち着ける喫茶店がブクロ駅周辺にはなくなっちゃって、ドトールやらベローチェやらスタバやらマクドにケンタ。
仕事の合間の3時休みならともかく、ゆったりほんわかと寛げて、本が読めたりボーッともの思いにふけるような<喫茶店>はなくなってしまったのね。
それはブクロに限ったことじゃないんだけどさ。
おまけにどこでも薄くてまずいコーヒーだしさ~
でもここ数年、嬉しいことに、いい喫茶店が再びできてるんだよね。
ブクロ駅からはちょっと離れてるこの店も、3年ほど前にできたの。
おまけにいい感じの2階では喫煙できるしさっ!
小さな音でジャズが流れてる。
コーヒーもおいしいのよ。
久しぶりに<マンデリン G1>飲んでみたけど、すっきりした苦みのあとに甘みがほんのり。上質なマンデリンのお味でした。
おいしかったよ~。
これが呼び水となって、家に帰ってまたコーヒー。
これは沖縄の<ヒロ・コーヒーファーム>のだけど、味と香りの違いがはっきりと分かって、2回目のコーヒータイムも楽しめちゃったんですね。
柳橋 「梅花亭」
ちょっと前から、柳橋の「梅花亭」の<梅最中>が食べたくなっていたのね。
あ~ あの店、まだあるかな~ あの最中食べたーい!
仕事帰りに茗荷谷のM堂の前通ったら、梅最中って書いてあったので思わず3個買って帰り、開けてみてがっかり。
だって最中の皮の上下がずれてるんだもん。梅の形にずれがあるのよ。
こういう仕事って嫌いです。お味もそういうお味です。水飴・増量剤多すぎの甘すぎ。
残りの2個も捨てるに捨てられず(食べ物捨てるって、すごく抵抗あるでしょ?)やっとこさ消化。
つら~ぃ
欲求不満で爆発しそー!!!
で、仕事が休みの本日、思い立って電車で浅草橋に、そして神田川に沿って柳橋に。
そう、成島柳北の『柳橋新誌』、子規の「春の夜や 女見返る 柳橋」 の柳橋よ。
昭和4年に永代橋を模して神田川架けられた橋が、戦禍をまぬかれ今も健在。
神田川はこの先で隅田川に合流する。その手前の小さな橋だ。
東京の橋でどれが好きか聞かれたら
「柳橋です」。
二十数年前このあたりに仕事で通っていて、「梅花亭」の和菓子をよく買ったの。
あ、こっちの佃煮屋さんのあなごもおいしいのよ。
あらら~ ビルになってる! 昔は木造2階建ての小さな間口の店だったんだけど。
そりゃそうよね、時は流れる。
「梅花亭」って東京に何軒かあるけど、どこかから暖簾分けしたのかな。
今は名前は同じでも作ってるものは全然違うから、他はどーでもいいような味の店が多いので注意。
人形町はいまや人がゾロゾロ歩くえらく喧騒に満ちた街となったけど、
この柳橋界隈は表通りの人形問屋も含めて、裏に回ればなおさらひっそりといまだ情緒あり。
ブクロで暮らしているとこのひっそり感が懐かしい。
そして<梅最中>その他、ゲットゲット~ 一目瞭然、味は変わっていないと確信。
私も柳橋見返ってから、まだ日もあるからちょっと橋巡りの散歩をしながら帰ってみるか~
総武線の高架下を線路に沿って。
もちろん高架下のスペースは無駄にしてはいません。
浅草橋から秋葉原に。
万世橋。
背後の大通りにトラックで乗りつけ大勢の人を危めた青年の裁判が、先日始まった。
通りすがりの見知らぬ人や、いたいけない幼児、老人、抵抗できない動物などに突然襲いかかる暴力。
なんだかわけのわからない世の中になってきた。
これからますますそういったことが増えていくのだろうか。
ネット社会では、アフリカの虐げられた貧しい人々が一夜にして大統領を追放する。
国家が国民に隠蔽しておきたい極秘事項も、一瞬にしてさらけ出される。
もうだれも、どんな権力も、それを止めることはできない。
私たちは、予測不可能な、未知の、魅力的でスリリングではあるが、ブラックホールのような領域に足を踏み入れてしまったらしい。
昌平橋。橋のたもとは昔のまま。
お茶ノ水、ニコライ堂のカテドラルを望み、手前は広大なスペースでなにやら建設工事中。
お茶ノ水橋から聖橋を望む。この風景も変わらず。
あら! 梅が咲いてるよ~!
というわけで。
嬉しいわ~ん、どれからいただきましょうかね。
ちょっと気が早いけど、桜餅があったので。
香り良し! これからいきましょう!
川向こうに有名な桜餅があるのよ。あそこのは桜の葉だらけなの。
桜餅を桜の葉で俵巻きにしてるような感じね。
葉、付け過ぎ。
私は何でも分相応が好き。2枚でちょうどいいでしょ?
いい和菓子をいただいたときの、素敵な満足感を味わいました。
して<梅最中>。
何が好きかってね~
まず、見た目のこの仕事ぶりが好きなんです。
職人のいい手仕事。それが伝わってくるんですよ。
最中って、食べるとたいがい皮がバラバラッと落ちるでしょ?
半分に割ろうもんならすごく醜い状態となる。
この最中は違うんですね。
上と下をちょっとひねると…
こんなふうにじつに気持ちよく、そしてちょうどひと口で収まるくらいの大きさに分かれる。
柳橋の綺麗どころのおねーさんがお客の前でこの最中食べても
美しい所作で不粋にならずに食べられるでしょ?
お味も純粋な小豆と砂糖と、そして今回初めて気がついた。
「塩梅」とはよくいったもので、塩加減がすごくいいんです。
おいしい皮と餡の味の最後に、ほんの微かに塩味が感じられ、それが後味をキリッと締めているのね。
ここの「三笠山」は、うぐいす餡なんです。
いいいでたちしてますね~。
たいへんいいお仕事ぶりですよね~。
最近の健康志向ブームで、無添加、無農薬、「無」なんとかがこうじて、
味がボワワ~っとしたメリハリない「無味」みたいな洋菓子・和菓子があるけど。
そういうのも好きじゃないわ。
菓子はその菓子屋の心意気感じる味にしてほしいですよね。
これ、そういうお味です。
イモ
この前北海道で食べたジャガイモ、薄いスープで煮てあるだけなのになんだかやたらおいしかった。
「とってもおいしいジャガイモですね!」って宿の人に言ったら
「秋に採れたものを、いままで氷温の室で保管したジャガイモなんです」
へえ~~ 甘みも増しておいしくなるんだそうな。
東京に帰ってきてスーパーで発見!
思わず買っちゃいました! 値段は倍まではいかぬが、ちょっとお高め。
だけど!
な、な、なんだこの奇跡のようなうまさは~!
不精の救世主、ルクエに放り込んで上からミルクをジャボッとかけて塩・コショウぱらり。
電子レンジで15分。一度かき回してまた5分。
もっちり、ねっとりと、そしてじんわりと甘みが。
これがジャガイモかーーーー???
今日はたまたま生のバジルがあったから、マヨネーズにバジルを入れてソースを作ってイタリアンイモにしてみました。
煮崩れるくらいがいいわね~ 最大限にイモのうまみが引き出される。
お薦めよ、氷室イモ!
しかし。ブランチにどんぶり1杯食べる私ってのも…
どうかとは思うが。
大吾 爾比久良
うわっ! 練馬・大吾の和菓子貰っちゃった!!!
何でも言っておくものね~ 「黄身しぐれ系統、大吾の爾比久良(にいくら)、あれね~好きなんですよ」ってね~
本郷の藤村がなくなっちゃったらしいから、私の中ではこの菓子は貴重よ!
黄身しぐれっていっても通常のとはちょっと違うんだけどね、この外側。
たいへん上品な乾いた餡なんですよ。しっとりと口の中で溶けていく。甘さほどよく。
唾液が少なくなった老人なんかは喉詰まらせる、パフパフを圧縮したタイプね。
ずっしりと重いが、4分割にしていただくとちょうどいい。
だから1個500円でも高いと思わないわよ~
そして充実感があるの! いい和菓子をいただいたなっていう…
けっこう高い和菓子でもゴリゴリの栗が入ってたりしてがっかりすることがあるけど、この栗は柔らかでおいしい。
これの黒糖バージョンがあるので、今度はそっちを自分で買ってみよっと!
加賀の棒茶
池袋・西武デパートがリニューアルしたのね。
地下の菓子売り場もけっこう変わったの。
3が日も過ぎて、ちょっと上質の甘みが欲しくなって…
決心して、いざでデパ地下に。
だって人がウジャウジャだからさ~ 決心しないと行けないのよ。
暮れにチラッと見て、あ、新しい店発見、ていうのがこれ。
<石川屋本舗>ってどこの店? 金沢にこんな店あったっけ?
まあ私はあまり金沢の店、知らないしな。
小松空港で買う加賀のあんころモチがすごく好きなので、あの味を期待!!
それに、思い出した! 冷蔵庫には加賀の棒茶があるしね~
ゲットして家に帰って裏を見たら… んん?! なんだ… <花園饅頭>の新ブランドらしい。
うーん… これは… まずったかも。
なんかちょっとベタッと大きすぎ… 525円。
いちおう上品に黒文字なんか出して食べてみたのだが。
失敗だったね。中の餅もねっちゃり系で私好みでなし。
あああ~ すごくがっかり。
しかしこれだけにしておいてよかった。危うくほかの和菓子も買うとこであった。
口直しに加賀の棒茶。
これは時計の秒針にらんで、きっちり20秒でだす。
やっぱ、すごいわねー! お口癒やされたわ。
この香ばしさは、ちょっとほかにはないと思う。
ダブルクリップで留めてて色気ない?
いーの。私しか見てないんだから!
ほ~っ おいしい!
今年の活動が始まったブクロの空を見ながら、久しぶりに加賀棒茶を味わって、明日からの仕事、けっこうやる気が出てきました。