その1
＜その1＞
トラの季節・ハーフ
今年もやってきました、トラの季節が。
お互いにエネルギーを使うからね、とりあえずハーフね。
それでもハサミ片手に、わらわら動き回るのを押さえつつ、終わった後はぐったり。
あ、猫じゃなくて私がぐったり。
デブ猫はちょっと涼しくなったので、すっきりいい気持ちみたいね。
トラにならないオスもそれなりに気を遣ったみたいで、終わったあとは2匹と1人でスキンシップ。
いつやるかね～ 丸刈り…
腑に落ちる
左手の人差し指切っちゃったんだよぉ（涙）
包丁買い換えて、ちょっと使い勝手が変わったから油断した…
けっこうザックリ切っちまったの…
こういうとき、割と冷静になるのね。消毒して止血しながら観察して、まあこれなら医者に行かなくても大丈夫。何とかなる。
落ち着こう、お茶でも飲もう。
ズキズキする指をかばいながら、とっときの PARAGON 窯のカップを出してね、
で、いい紅茶を飲みませう。
とはいうものの、ズキズキズキズキ ううう～ 落ち着きませう。
ゆっくりお茶の支度をしてお湯を沸かしていい紅茶を淹れて3分待ちませう。
ズキズキズキズキ うううううー
何でこんな目に遭わねばならんのよ… そりゃ自分の不注意だっていうのはわかってるけどさ… でもこんなに不景気のままにしてる政府が悪い！仕事先で暗い顔してる人のせいよ！バカ猫のせいか？
ちょっとひどいわ、こんなにいいお天気なのに。
ひどいわひどいわ、痛いわ。ひどいわ。痛いわ。
痛いわ、痛いわ…
うううっと、バターも出して、ちょっとパンも食べてみませう。
あ、紅茶のいい香り…
そのときストン！と腑に落ちた。
「あ、これ、警告してくれたんだ」
馥郁とした香りを思いっきり吸い込んで、紅茶を飲み、 PARAGON のカップの優しい口当たりを感じ、その手描きの溌剌とした動きの線と色どりになごむ。で、パンにバターをのせてほおばる。
脈打つズキズキも、ありのままに受け止められた。
ありがとうございます！ 最近ちょっと自分を見失いかけてました。
闘いの火種
ドンキにさ浄水器買いに行ったのよ。いささかもう買い替えねばって思って一大決心。
うちからちょっと歩くのね、川越街道のほうに。
ゴールデンウイークでウジャウジャ人がいたら嫌だなぁって思いながら。
そしたら拍子抜けするほどすごくすいてるのね。
おまけに＜ゴールデンウイーク特別セール＞みたいなのがたくさんあってさ、ブリタの浄水器がすごく安く買えたの。
その帰りに人通りもあまりない道をブラブラと歩いていたら花屋さんで八つ頭の球根の芽が出たのを売ってたんだよね。
それ見たらなんか可愛い芽がたくさん付いていて、あ、買おうかな～と思ったんだけど、これはまた猫との攻防戦かな～、止めよう、と歩きだして、でもやっぱりすごく欲しくなって、400円で安いし秋まで楽しめるから、えーい買っちゃおう！
家に帰ってとりあえず洗い桶に入れてモスを載せてみた。
楽しみ～
生きていて、日々変化して、緑が伸びていくって、いいね、いいね～
と思う間もなく、2匹でプチプチ食いちぎっている！！
ちょっとちょっと！ あわてて引き離してガラス戸を閉めたんだけど。
性懲りもなく新たな火種を背負い込んでしまったのです。
まあ何にでもリスクは付きものだから、この攻防戦も受け入れよう。と決意した私なのでした。
逞しく順応
カラスがバサバサしてるわ…
えっ？？ あれはもしかして！ 巣？！
あら～～～ ！
都会で逞しく子育て。ああでなくっちゃね～
あそこに書かれてる「カ」は、カラスの「カ」か。まあそんなことはなかろうが。
しかし針金ハンガーで7つの子の子育てって、ちょっと厳しくない？
隙間から落ちたらどーする！
おまけに針金じゃ子どもが痛いんじゃないか？
っていらぬ心配か。
おしおき
あああーーー
急いで出かける必要があって、テーブルの上に小箱を出したまま外出から帰ってくると
箱が下に落ちて中身が出ている！
法事用の小物をまとめて入れてあったのに…
お前だねー！ ホワイトデブばあさん！！
こういうことをするのはメスのおばあちゃんに決まっている。
このこは子猫のときから
箱を落とす→ 何か出てくる→ 面白い→ 遊ぶ→ すぐ飽きる
が大好きな猫で、私は彼女がどこに載っても叱らないが、
物を落としたり倒したりという、猫にあるまじき無作法な行為のときは怒るのである。
捕まえてきて あら、念珠がトイレのドアの下に！ その前でお尻をペシペシッ！
あ、台所の床に袱紗が！ なにー！爪で掻きむしったな！ その前でペシペシッ！
「こういうことはいけません！」
オスの弟分は猫ベッドで横になって目だけ動かして
（あ… ねえちゃんがおしおきされてる）
ペシペシのあとはしっかりと抱きしめてやって（ と、ものの本にそう書いてある ）
「こういうことをしてはいけないのよ～」
デブおばあちゃんはじっとこっちの目を見詰め、
まあ、誰にご飯を貰っているかわかってるからさ、ってなそぶり。
顎の下をカッカッカッと3回掻いて膝から飛び降り尻尾ふりふり歩きだしたが
Uターンして戻ってきて私の足に顔をすりすり。あ、理解したか。
カプッ
ぎゃ～っ 痛ーーい！！！ 突然手首に噛みついた。
これって甘噛みとは思え～ん！
弟分、猫ベッドから再度こっちを見て
（あ～ ねえちゃんにおしおきされてる～）
………
旅立ち
あら？！
あらら…
大事に大事にされて、いつもここで丸くなって寝ていた道産子のニャン…
その寝姿を見て、通る人はみんな癒されてたの。
こんなに可愛がられて、きっといい一生だったんじゃないかな～
次に生まれて来る時も、いい飼い主さんに飼われますように。
母性愛？
なにしてるかって？ これがさ～ 携帯温めてるの…
携帯があると必ずの上にのってる。
突然猫のおなかの下からピロリ～ンピロリ～ンと聞こえてきて、
あわてて引っ張り出して、温まった携帯に「もしもし…」とか。
携帯はまだいいの。
始末が悪いのはパソコンのマウスをおなかの下に敷いて、そんときは「断じて渡すまい」とするのよね…
おなかの下に手を入れようとすると、うーっ とかいうんだよ！
無理に手を突っ込もうとすると猫パンチ繰り出すし…
もっと強引に突っ込もうとすると クワッ～っとかいって牙むくし…
狭い机の上、6キロ半のドタッとした体で四肢バタバタさせられたら悩む。
まずコーヒーをどけて、ペンスタンドもどけて、束のファイルもどけて。
そののち猫なで声（猫に！）で
「いい子だから、ちょっとじっとししておくれ」とか言いながら
素早く2本の前足を掴んで素早くおなかに手を入れまさぐり、
ウーウー バッタバタ するのを無視してようやくゲット！
あ！疲れる。
マウスだよ！マウス！
その母性愛、まちがってない？
窓辺のしあわせ
1年が巡って、今年もまた小さなカトレアの花が咲いた。
新年を迎えるよりも、誕生日がくるよりも、窓辺でこの花が咲くと、
ああ、また1年が過ぎて、今年も咲いてくれたか…
と思い…
小さなしあわせ感とともに、またひとつ年とったな、と。
思う。
こんなふうに穏やかに窓辺の花々を眺めていられることに、感謝しつつ。
お帰り～
「ただいま！」
だいたいこのように迎えてくれる。
昔は温泉から帰ると玄関で待っていて、ドアを開けるとゴロにゃんしたのにね～
このあと、たいがいクワーッと大あくびをして、口がちゃんと開くことを身をもって示す。
手編み
もう春も終わり、夏が近づいてきているから、手袋を洗う。
洗面器にお湯をはって、丁寧に手洗い。
この冬はお世話になりました。どうもありがとう。
この手袋は、旭川のMrs.セレブに連れて行ってもらった児童図書を売っている小さな本屋さん「こども富貴堂」で分けてもらった。
もうお仕事をしなくてもいい御身分の先生が、病院の夜勤の合間に手編みされたもので、その売上は寄付されるのだそうだ。
この手袋をして、冬の旭川から東京に帰った。
仕事が遅くなって目はかすみ体ヨレヨレ、電車で池袋に降り、この手袋をはめて夜道を歩くと、ほこっと温かく、手編みのふんわりした空気感だけでない温かさが指の先にしみわたり、
「いやー、疲れたけど元気出てきた！」 と、
ラブホ街を軽やかに通って帰れるのだった。
餌代稼ぐぜ～
ちょっと滅入っちゃったとき、自分のために何かやろうと思っても、なかなか動けないときがある。
うーん、いまやる気がしない。
体、動かない。
できればやりたくない。
そんなとき、ぽかぽかの日差しを浴びて爆睡している猫どもを見ると……
ああ、このこたちのために、やっぱり仕事はしなくちゃね、と。
こんなに無防備に大股開きしちゃってさ～！（君は、おんなのこなんじゃなかったっけ？ いや、もうおばさんだから許容かしらん？）
うんうん、君たちのために、わたしゃ餌代稼いでくるよ！！
と、元気出てくるのですよ～
ほっとけばいい（2009年）
数年前に、気まぐれでミニカトレアを買った。
手入れが要らないような気がして、ほっとけばよさそうだったから。
冬の終わりになると、毎年蕾が出てくる。
そして春先に、ミニというには大きすぎるたくさんの花を咲かせる。
こんなに咲いていいの？というくらいに次々に咲いて、長期間楽しめる。
寒い間は室内で猫にかじられないように、陽のあたる場所にときどき移動させ、暖かくなったら室外に。
風の強い日はベランダの隅に避難させ、思いだした頃たっぷり水をやり、1年に１度引っこ抜いて古い根を切って新しい鉢に肥料を少し、新しいモスを入れて植え替え、そしてほっとけばいい。
「だから手入れなんかしなくていいから、ラクよ～」と言ったら
「それって聞いてるとかなりめんどうそうね」と言われた。
そうかな…… だけど
いつも心に留めておいて世話してやれば、かならずこんなふうに裏切らずに応えてくれるもの。
そんな存在があると、元気出るもんね～
元気で何より！
ペキパキ カリカリ カリッ おいしそうに食べるね～
しかしあまり食べんでよろしいわ。
十分メタボ。
腹くちくなれば、遊ぶだけ。
飽きたら肉布団の上で眠る、と。
猫は…いいですわね～
はいはい、元気で何より！
