theoria(テオーリア) まるみの 湯気の向こうに 見えるものを心の眼差しで観想する 小さな旅へのいざない

ラブホな萌え~

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  • ラブホな萌え~






脇で抱擁

ラブホのさ、入り口は割と薄暗いのね。
上とか横のネオンと装飾のライトはピカピカだけどね。

その入り口の脇で、つまり薄暗いとこよりもちっと暗い所で、
しゃがみこんでベタッと抱擁してる2人って…  なんなのー?







事件?

ラブホな人々

あれ? へんなとこにタクシーが止まったままよ?

なんだろ?  と思ったらサイレンの音がして白バイが1台、あらまた来た!
2台、3台!そして4台! 

なんだろ、なんだろ~!

東京無線のタクシーの運転手らしきおじさん、警察の若いおにーさん(白バイだからさ、年寄りはいないのね)4人、
そしてラブホの建物に半分かくれて見えないんだけど、そっちのほうから怒鳴ってる声が…


ラブホな人々

あ、白バイまた来た!  これで5台。
警官が無線で連絡する声や、ますます怒鳴ってる声や、聞こえるんだけどさ
何言ってるかわから~ん! なんなのですか~~~~

私と猫2匹とは、熱心に窓から観察するんだけど。
いっこうにわからんのよ。つまりメインの部分は隠れちゃってて。

この間、時々ラブホの開けにくい窓がバタン!バタン!って開閉されるのね(笑)
ラブホ使用者も気になったみたいで。


ラブホな人々

でも何にもわからんのよ!
思わず窓から「どうしたんですかーーーー?」って叫びたくなっちゃった。
え? 叫べば警官のおにーさんが
「タクシー強盗未遂で~す」とか「無賃乗車で~す」とか返事してくれる
(へんなおばさんがいるぜ、とか身内でささやくかもしれないけど)距離だもん。

30分くらいこんな状態が続いたの。

イライライライラ… なんなのじゃ!

そのうち白バイが1台去り、その後2台去り、そしていなくなり、タクシーも消えた。

イライライライラ… なんだったのじゃ!


ラブホな人々

ブクロ、意外でしょうけど事件発生率、少ないんだよ。
事件になりそうでならないようなのが多いみたいね。
ということは、つまり街のお巡りさんが忙しいみたいよ。

あそこの路肩で起こったのよ。ちょっと車止めるスペースあるもんね。
左は例のホテルワールドよ!

最近ね… ああいうとき、フラストレーション溜めてないで、
おばさんの特権を発動してでかい声で聞いてみてもいいんじゃないかと…

え?  はしたない?  そうかな~ 
うん、確かにそうかもね~ 

でもそうかな~  悩む…







ワールドなネオン

ラブホな人々

おっと! ホテルワールドのネオンが付いたわ。
あれね… 過酷な思い出があるのよ…

ラブホな人々

一昨年の春だったか、初夏だったか…
ある日仕事を終えてマンションの階段を上がってるときに、異様な音が聞こえたの。
「バチバチバチッ」ってな感じの。

?何の音だろう?

そのときはあまり気にならなかったんだけど、夜中に仕事してて、なんかまたバチバチいってる。
何の音?

その翌日、また夜中に仕事してて、あんまりバチバチいうから窓を大きく開けて耳を澄ませたら
「バチ バチ バチ バチ バチバチバチバチッ バチバチバチバチッバチバチバチバチッ」
数秒静かになったのち、再び始まるの。

「バチ バチ バチ バチ バチバチバチバチッ バチバチバチバチッバチバチバチバチッ」

えーっ?? 

ブクロの夜空を観察していて、やがてその音が、ホテルワールドのネオンとシンクロしてることに気づいたのね。
なんだか異常なバチバチ音で、これって爆発でもするんじゃないか?

ホテルワールドのネオンは、夕方付く。
そして音は日に日に大きくなっていった。
夕方ラブホ街を通ると、カップルが思わず見上げるくらいに。

夜中仕事の私にとってはノイローゼになるくらいの、巨大な音となっていったのであった。

これってラブホ利用者から苦情は出ないの?!
何とかしてほしいよ! ありゃいったい何じゃー

1週間ほど悶え苦しんだ私はついに決心をした。
夕方帰っちゃう大家にもう少し居てもらって、
あの音を聞いてもらい、大家同伴でホテルワールドに直談判に行こう、と。

ラブホな人々

決心した日の夕方、家に帰りつく前にポツポツ降りだした雨は部屋に入るころには土砂降りとなり、2週間ほど雨が降らず乾ききった東京に滝のように降り注いだ。

して翌日の夕方…  ホテルワールドにネオンがともると…

なんと!! バチバチが消えていたのである。


異常な乾燥が続いたせいで、ネオンが放電するときに音が出ちゃったんだろうね。

その後私は天気予報で「乾燥注意報が出ています」という言葉を聞くと
思わずホテルワールドのネオンサインに目が行ってしまうようになっちゃったんです。







蔦の新緑

ラブホな人々

おや? あれに見えるは…
蔦の新緑じゃないの? 萌え~ だわね。
この間まで枯れたツルだけだったのにね。あっという間に緑になったわね~

ラブホな人々

ふんふん、と感心して外に出ると、その蔦のからま~るラブホの表の入り口脇に、若い男が座り込んで、手で顔を覆っている。
女の子がその男の傍にいて座って話しかけたり、立ち上げって見下ろしたりしているのであった。
男の子は何か言い、それに合わせて女の子もまたしゃがみ込む。

もちろん脇を通る人々はチラッと眺めるが、話しかけたりはしない。
当然私もしない…

しかし、当然?

ラブホな人々

たとえば私が温泉に向かう途中の山道の端でそんな情景を見かけたら、
私は無視して通り過ぎるだろうか…

たとえば北海道の無人駅に降り立ち、駅前でそんな情景に出逢ったら、
言葉もかけずに通り過ぎるだろうか…

たとえば乗っている1両の電車の目の前で、そんな2人の姿があったら、
見ないふりをするだろうか…

いや、だってここはラブホの脇だし… 
しかしなぜラブホの脇では無視するのだろう?


蔦は萌え~であったが、その瞬間、私は自分自身にちょっとイラッとしたのであった。









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