(2010年6月3・4日 2人泊 夕食付き@6,500円 +お握り100円)
さて2泊目・3泊目は三香温泉なので、花咲線に乗って釧路まで戻る。
来るとき厚岸あたりで「これぞカヌーに乗りたい湿原!!」というのが目の前に出現して
新妻ちゃんに
「こういうところでカヌーに乗りたいよね~!」
「そうですよぉ、ここいいですよぉ、ここなら私たちでもカヌーに乗れそうですよぉ」
調べたら<別寒辺牛湿原>というところだった。
川に沿って細い水路が走り、流れもそうとう穏やかそうで、私たちのような素人でもパドルを振り回していれば何とかなりそう。
水は釧路川源流のように澄んではいないだろうけど、しかしここにはまた違う面白さがありそうだった。
次はここだな! 別寒辺牛湿原!!
厚岸では一年中牡蠣が食べられるらしい。
そして知られていないが春先は白魚がおいしいらしい。
夏は花咲ガニ&ウニ~。秋は旬の牡蠣。そしてサンマ。冬になれば今度は毛ガニ。 ほほほっ!
さて、かなりお尻とお股に痛みがきていた私たちは、ちょっと変な座り方で花咲線に揺られて
釧路駅に着いた。
ちゃんと筋肉痛を見越してましてね~
乗馬の後は温泉なの。
釧路駅のパン屋さん<レフボン>で休憩の後、今度は釧網線に。
冬と違って6時でもまだ明るい釧路湿原と釧路川を眺めながら。
例の ピーーーーッ という汽笛にも慣れて、
「あ、鹿ね」
みたいな反応となる。
明るいので鹿も光に突っ込んで来ず、
ちゃんとよけてるみたいで衝突なし。
もはや窓外に鹿を見ようがキツネを見ようが、当たり前となってしまった私たちなのです。
霧多布をタクシーで回ってもらっているときに、新妻が
「あー! キツネが何かくわえてる! 亀みたい」と叫んで、あわててそっちを見やると
確かに丸くてダラッと首が垂れ下がっているものをくわえたキツネがトコトコ歩いている。
犬や猫と同じくらい野生動物が道路をウロウロしているのです。
小雨がパラパラと降って来た。が、風さえ吹かなければカヌーはOKなのだ。
風、吹きませんように!
迎えに来てくださっているご主人の車で、一路宿に。
雲間から山の端が垣間見える、夕暮れ時。
お尻をさすりながら露天に。
ひとっ風呂浴びてから、
ちょっと遅めの晩ご飯。
やっぱり、薪ストーブが燃えている。
脱衣所では、湯音が聞こえる。
ただいま~
もうほかの人は食べちゃったあとなので、私たちだけ。
「ビールにしますか?」
と新妻ちゃんに聞くと
「はい!」
元気のいいお返事。
たっぷりした野菜とチーズの下には、本日は鮭がいました。
これだけでおなかいっぱいになりそう。
香り高い、野生のウドのほろ苦さが素敵です。
キノコいっぱい、下のお豆腐もたっぷりで、ついにご飯は入らず。
私は再度露天に入って、乗馬の後遺症、筋肉痛と打撲箇所の点検をだれもいない風呂の中ででんぐり返ってやった結果、お尻の骨の上のお肉が打撲状態で腫れあがっていることが判明…
なんか新妻ちゃんに話を聞いてみると、状態が違うみたい…
たぶん彼女は若いから筋肉で上半身を支えたんだろうが、わたしゃ筋肉がたるんでるからひたすらお尻とお股を鞍に打ちつけたんだろうなあ…と、ちょっと悲観。
夜、2人で布団に横になって、掛け布団の重さにあえいだ。
掛け布団がずしっと、寝ていると昆虫の標本のようにピンで留められて動けませ~ん!状態となる。
当然敷布団にお尻が押しつけられて痛し。
そのとき私は、あの若葉ちゃんの後ずさりの感触を思い出した。
「あ~! あの1歩、2歩、3歩… って後ろにさがっていく若葉ちゃんの感じ… 一生忘れない」
布団の中で、新妻ちゃんと2人で大笑いしてしまいました。
「あれはアラフォーとアラサーの争いだったんですよぉ、だってまりもちゃんは初めから絶対若葉ちゃんの後ろに行かずに割り込んでいたじゃないですかぁ」
「そういえばそうね… 初めは割り込めないようにオス馬の尻尾に若葉ちゃんを繋いでたもんね~。あれは私たちには伺い知れぬメス馬同士の確執だったのかもね。若葉ちゃんはまりもちゃんのお尻に絶対付いて行きたくなかったんだね」
「絶対そうですよぉ。女の争いやってたんですよぉ、きっと」
大笑いしながら、そしてお尻とお股をさすりながら眠りについた。
朝ご飯は食べずにゆっくり朝寝、そして朝湯。
宿で貰った湿布と温泉のおかげで、打撲はかなり軽減。
よかったよ… 今日のカヌー、どうなるかと思った…
持参のスポンジを露天の縁に敷いてまったり。
目をつぶって揺れていると、お湯の流れのままに体が動く。
ほんの一瞬、意識が溶けて、お湯と自分の体の境目がなくなるのであった。
曇っているがところどころ雲が薄くなっていて、日差しはなくても明るい日だった。
風がなくてカヌー日和で嬉しい。
寒さから抜け出した木々が、勢いづいて、われさきに新芽を伸ばしている気配を感じる。
タンポポが一面に咲いていて、その鮮やかな黄色がずっと続いている風景を見ると…
ここに立っていることを幸せに思う。
朝食の代わりにお握りを1個ずつ作ってもらいました。
柔らかな蕗の煮物のおいしいこと!
そして<いもだんご入りのおしるこ>もいただきました。
ジャガイモを摺っておだんごにしてある。ジャガイモの香りと小豆の香りが渾然と、小豆の皮の歯触りともちっとしたおだんごのなめらかさ、素朴でとてもおいしかった。
さて~ 今回はガイドさんがカヌーの後ろで漕いでくれるところじゃなくて、
「カヌーを自分で漕いでみましょう」というところにお願いしたのです。
もう何度も釧路川下りをやったから、ちょっと踏み込んで、自分で漕いでみよう!
お願いした<ナヌーク>さんは、大阪生まれのガイド&コーチのご主人が十数年前に屈斜路湖畔に廃車のバスに住みだし、その後結婚、現在4歳、2歳の男の子と、生まれたての女の子の5人でそのバスで暮らしているというワイルドな一家なのです。
湧き水とランプの生活らしい… すごいね~
お風呂は屈斜路湖畔は無料のお風呂が、それもすごくいいお湯のお風呂があるしね~
でも携帯とパソコンは持ってるの。
一家総出で行動。4歳の長男は保育園に通ってるんだって。
いつものようにここから出発。
まず屈斜路湖で漕ぐ練習。その後釧路川源流へ。
さっき居住バスの前で、レクチャーを受けたの。
ホワイトボードに書きながら説明してくれました。
2人で漕ぐから、2人が息を合わせないといけないのね。
前に座っているほうは後ろがわからないから、当然後ろの人間が判断しながら前に合わせるんですよ。
直進、右回り、左回り、右寄せ、左寄せ、右回転、左回転。
そして私たち2人が乗ったカヌーのそばに先生が別のカヌーで併走。
私、右と左、よく間違えるのね… 新妻もその傾向があるらしい…
初めはてんてこ舞い! 右と左を間違え、おまけに2人して間違え…
力を入れなくていいと言われてもグイグイ漕いじまって…
そのうちまあなんとかなってきた。
そして次第に、カヌーは力で操作するものでないことが分かった。
先生から
「はい、これなら湿原は大丈夫です」
つまり流れのないところならなんとか行けるでしょう、という状態になりました。
釧路川源流はとても静けさに満ちている。
流れの音や鳥の声に耳を傾けていると、その音の向こうに広がる静謐感に心打たれる。
そういうときに限って私の携帯が鳴る…
相変わらず驚異的な水中クレソン!
てんでんバラバラ、いったい自分のパドル操作が合っているのか間違っているのかわけわから~ん状態がほとんどだったが、ほんの一瞬、自分のパドルがスルリとカヌーの方向を変えたときがあった。
まったく力を入れていないそのパドルの角度が、なめらかに長いカヌーを動かした。
素敵な瞬間だった。
と同時に、
かつて眠りに落ちるときに、
二度と目が開くことがなければよいと、
思った日々の記憶が、
その記憶の苦痛がよぎっていくひとときが、そこにあった。
今回の旅は、浜中と屈斜路と、幼い子供たちの伸び伸びとした笑顔に彩られた旅だった。
帰る日の朝、男湯の内湯に入らせていただいた。
女湯より浅く、窓からは木々が見える。
お湯は惜しげもなく溢れ、輝きながら流れていくのだった。
本日は露天のお湯を抜いてお掃除の日だそうである。
見学~!
湯守りという仕事は…
大変なお仕事であると思う。
お昼までにお掃除を終えて、新しいお湯は午後4時に満ちる。
冬に、氷の上で寝ながら アウアウー パクパクッ と鳴いていたハスキーちゃん。
たいへん静かな、眼差しだった。 ここでよい日々を過ごしながら…
長生きしておくれ。
帰りの車で奥さんが屈斜路湖畔の露天風呂に寄ってくれました。
冬は凍った湖と白鳥、いい眺めらしい。
いま入ったら、見世物だわね~ 観光客が群がって写真だけ撮ってるから。
お湯はとても綺麗で、地元で維持管理されている。
夜中に来たらいいかもね~ 真っ暗だろうけど。
いや~ カンカン照りとなり、さっきまで曇っていたのが有難かった。
痛いほどの日差し、あっという間に日焼け…
また来るぞ~!!
釧路駅からタクシーで<六花亭>春採湖(はるとりこ)店に。
タクシー初乗り470円、そのタクシー1190円で行く価値があるの~ いい天気、そして強風。
デザート用胃袋、牛さんのように3個くらいあればいいのに…
食べたいものがたくさんありすぎ~!
あっという間にガスってきた!
楽しかった~ おいしかった~ 北海道。
新妻ちゃんに「あなたの夏のハードな仕事が終わったら、また来ようね」
と言うと
「それを支えに、乗り切ります!」
私は卒業生だからね~もうそういうハードなことはしないの。
今年の夏は… 金がなくても遊ぶわよ~!
しかし飢え死は、ちとまずいから…
最低限働いて…
遊ぶわよ~~~ 老い先短いんだから~~~!
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