(2009年5月5・6日 2人泊 @15,900円)
新幹線で新潟まで。在来線に乗り換えて新津駅まで。連休中でも閑散とした新津駅前。
ここから磐越西線で咲花へ。
酒豪のおねえさまから「そろそろ温泉に……」と言われて、
はてさて、どこがいいかしら?
去年の12月に計画した北海道・旭山動物園と雪見の露天旅行は、彼女のお母さんが亡くなったため行けなくなってしまったのだ。
彼女はたいへん久しぶりの温泉なのである。そしてお疲れ様!である。
おいしいものを食べお湯に手足を伸ばして、たまった疲れを癒していただきたい。
「魚がおいしいところがいいわ」
酒もおいしいところがいいわけよ、当然。
う~ん…… そしたら新潟かな……
あれこれ考えていて思い出した。
ミセス温泉が咲花温泉・碧水荘に泊まったとき、私に感想メールを送ってくれたのだが
「お食事はとてもいいのよ、2泊目は変えてくれたし。だけど連泊の対応ができてなくて…
露天は貸し切り30分だけなの… 」
静かな咲花駅前。
私たち以外に2~3人降りて歩きだす。
お食事のレベルは、同じ温泉郷なら同じレベルになる。
一軒宿でない限り、飛び抜けてうまければその宿が評判になって他の宿も見習うし、
どこかの宿がまずければ、それは他の宿もあんまりおいしくないということである。
ということは、咲花、お食事はOKね!乗り換え2回で少々不便だが。
問題は風呂よ、風呂!
というわけで私は調べまくった。
おばさん2人がのんびりまったり風呂に入れて川も見渡せ、そしてお食事満足の宿を。
今回選んだ宿はお部屋からの眺めも良さそうで
何より風呂がいいんじゃないかな?
ちょっと期待なの!
おまけに大型連休の最中でも安いのです!
小さなフロント脇のお土産コーナー。宿の方はおっとりめで感じ良し。
館内、畳敷き。
日帰り入浴客のためにか、休憩スペースが何カ所か。
お~!
なかなかいい部屋ですね~!
今回、囲炉裏付きの次の間がある、
そうとうゆったりとしたお部屋です。
ガラス戸の向こうに、阿賀野川も見えるし。
この囲炉裏は使うのかな?
夕食の鍋かなんか掛けるのかしら?
お食事が楽しみ~
ちゃんと映るテレビと金庫、冷蔵庫はスペースあり。
トイレはシャワートイレ。
風呂よ~~~~
ここの風呂は内湯2カ所、露天2カ所あり、男女別で、入れ替えがある。
男性用の緑の暖簾の内湯は大きく、中に檜造りの露天に通じるドアがある。
女性用朱の暖簾の内湯はやや小さく、露天は緑の暖簾の左にある通路を通って外の岩の露天に。
脱衣所の棚に浴衣がたくさん置いてあり、その浴衣をまとってささっと露天に行くのである。
これは大きいほうの内湯。
川に面して造られ、お湯が豊かにかけ流され嬉しい!
透明な、たいへんきれいなエメラルドグリーン。
ほんわか硫黄がかおって、温度やや熱めの適温。肌にスベスベ感あり。
ドアを開けて露天に。
まあ!
いいじゃないですか~!
なにより露天はややぬるめで、熱いお湯が苦手なおねえさまも私も、これならまったり~
木々の間から阿賀野川が見え川風も心地よく、そして名残の八重桜が浮かぶ、
なかなか風流なお風呂であります。
いや~ 良かった良かった!
湯上がりに散歩。
磐越西線と川の間に、7~8軒の宿が立ち並ぶ。
歩いていても硫黄のにおいが漂う。
そして連休中であるにもかかわらず、ほとんど騒音もなく人ごみもなく、土産物屋もなく、温泉饅頭屋は休業中で、
静かで地味で鄙びた、商売下手で垢抜けず、そしてなんとなくホコッと温かな咲花温泉。
くく~っ たのしみ~~!
囲炉裏は使わないようである。
山菜類やお野菜や、おいしそうな予感。
海も山も、共にいいんじゃないかな?
陶板は牛肉と野菜。
蟹入り釜めし、コシヒカリ!
お刺身もおいしかったが、脂ののったブリカマの焼き物は、新鮮な上品なあまい脂が口の中に広がり、ニッコリです。
天ぷらも多すぎず程よい量で、そして工夫されていた。
ほんのり梅酢餡。淡い春の色あいの中に白身魚。
タケノコもとても柔らかでアクがなく、おいしかった。
釜めしもバッチリです!
デザートのゴマのアイスクリームも、
おいしくいただきました~
ごちそうさま!
夜の内湯。
葬式は、疲れるものである。
そして終わってしばらくして落ち着いたころに、身近な人がいないことの喪失感に襲われ、
その時のほうが心身ともにこたえる。
お母さんが高齢だったのである程度の覚悟はできていただろうけれど、
ふいに襲ってくる感情やら疲労感に振り回されずに、彼女に乗りきってほしいと思った。
おねえさま、リフレッシュしてね~
朝、入れ替わったお風呂に。
こっちは岩の露天。
なかなかよ~!
しかし連休中なので1000円ETCのせいで、川向こうの高速と国道を通る車の騒音が、
そうとうこちらにも伝わってきてうるさい。
かなり迷惑である。
脱衣所方向。
いろいろな意味で、とても手ごろでいい宿を選んだと思う。
肌に負担のない、きれいなグリーンのお湯にも満足である。
あ、鳥が来た!
湯口。たっぷり出てくる。
朝食。
お膳で出てきた。
木のふたの下は湯豆腐。
焼きたての柳ガレイがとてもおいしかった。
昨日2人で川を眺めていたら、乗船客を乗せて船が行き来していた。
付近に川下りの船着き場があるのでは?と思って仲居さんに聞くと、即答できない。
フロントに聞いてもらった。
車で10分ほどの上流の道の駅に、船着き場があるという。
おまけによくよく聞けば宿泊客には乗船券が割引になるんだとか。
そして乗るんだったらそこまで車で送迎します、みたいなことになったが、地元の観光に熱心でないというか、地域おこしの感覚皆無で……
地元にお金が落ちるんだから、意識を持ってもうちょっと頑張ろうね~!
で、車で連れてきてもらいました。
阿賀野川下り。
川幅が広すぎて、川下り、という感じではないが……
それなりに楽しめました。
夕食まで時間があるので散歩。
「6時にSLが通ります、見に行きますか?」と言われて、昨日は見なかったけど
本日暇だし、近くの踏切まで見に行ってきました。3人ほど来ていた。
来たわ!
あら~! 先頭だけSLで後ろは普通の車両だった。
あっという間に通過。
というわけで帰って夕食。
本日献立すべて変えてくれて、鍋はお魚のアラ鍋。
長ネギが香ばしく焼かれているのがいい。
ホタテ貝柱とコゴミの酢味噌和え。皮ごと焼かれたタケノコ、鮎の干物、酢バス、つみれの練り味噌かけ、のし梅など。いろいろ楽しめる。そして味わい深い。
お刺身は言わずもがな、おいしいです。
こういう小鉢は目立たないけれど、粒貝やウド、ワカメ、蕨、タケノコなど、じつに手間をかけておいしく作られていた。
初夏の味がするトンブリ入りのスープ。
かなり一生懸命考えた献立となっている。
ノドグロの焼き物。
ノドグロも脂がのってきていて、たいへんおいしい焼き物だった。
しかし…
ハジカミのほかに添えてある茶色い佃煮状のものが、何だか不明。
え? なにこれ? なんだろ、なんだろ~ どこかで記憶のある味だが、ノドグロとは全然合わないのだ。
なんだろ~と思いながら次の料理に。
柔らかい太いゼンマイもよいお味です。
しんじょうに葛餡かけ。
大きなおいしいハシリのそらまめ。
本日もたいへんおいしくいただけました。
ありがとうございます。
イチゴの脇のパセリは…… 止めたほうがいいですね~
夜、岩の露天に1人で入りながら、さっきのノドグロの添え物がなにか、気になって仕方なかった。
それは明らかにタンパク質の味で、かつ均等に縦に繊維があり、ノシイカみたいなのだが魚介類のにおいはせず、私の知る限りでは大豆タンパクを成形して作った<グルテンミート>の味……
しかしなぜにノドグロの焼き物の脇にグルテンミートが??
うーん、なんだろうな、スッキリしなくて気持ち悪い! うーん…
お掃除が済んでお湯を入れ替えた小さいほうの内湯。
酸化していない、無色透明のお湯である。
こんな新鮮なお湯を見ると、このお湯にどういう変化がおきてエメラルドグリーンになっていくのか、
何時間か、じっと見つめていたい気がする
硫黄のにおいだけが漂う、まっさらで美しいお湯だった。
朝食。
本日、人が少ないので配膳してくれた。
この宿は食事付きの日帰り入浴がとても多いようである。
昨夜は大広間で夕食の準備に大わらわだったようであった。
泊まるほどの距離ではないところから車でやってきて、おいしいお食事をして帰るようだ。
この宿のお食事ならリーズナブルで、そして満足だろう。
風呂は1回しか入らないみたいで、大勢いてもあまり込まなかった。
板さんはいろいろ創意工夫しているようである。
シュウマイ。蟹だったかな?
忘れましたが、これがすごくうまい、とかいうものではないが、なにか特色を出したいという意欲は伝わってくる。
昨夜からの疑問を仲居さんに聞いてみた。
「ノドグロの添え物は?」 やはり大豆タンパクであった。
「これは何か?ってほかの人にも聞かれたことがあります」
そうでしょー、聞く人だっているはずよ。ちょっとスッキリ!しかしなぜ魚の添え物に?
おいしいハタハタの焼き物。
チェックアウトの時女将さんが
「2泊していただきありがとうございました。うちの宿はなんでお知りになりました?」
「インターネットでいろいろ調べてこちらに決めました」
「あ!インターネットですか。うちのホームページは貧相で、お客様に『ホームぺージはもっと金かけなくちゃダメだ』って言われるんですが…」
(えー!! 金かけてもダメなのはたくさんあるからー!)
「いえ、ホームぺージにお金をかけるより、おいしいお料理でしたしいいお風呂ですから、口コミとリピートのお客さんを大事にされたほうが」
「そうですか、ありがとうございます。
じつは料理長もまだ半年なのでお客様の好みなど分からないことも多くてね、ご不満などありましたか?」
(私は、例のノドグロの脇のグルテンミートは止めたほうが… と言いかけてしかし言うのは止めた)
「一生懸命作っておられるから、これからますます勉強されて、お料理にもきっと磨きがかかると思いますよ」
(この板さんなら気づくだろう。再訪したときに、それが分かったら嬉しいものだ)
「どうだった?」
「うん、よかった~!安かった~!」
その後私たちは、新潟でおいしくて安いお寿司を食べて、帰路についたのであった。
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