屈斜路湖畔 さんこう温泉再訪 

(2010年3月5・6日 2人泊 @1泊目 朝食のみ5,500円 2泊目 2食付き7,200円のところ連泊割引で6,500円)






三香温泉再訪

雪降る釧路湿原を切望したせいか、暴雪になって予約の9時15分発の便が欠航になってしまった!
ANA便1日に2本しかないので、次の14時40分に振り替えるしかない…

もう夕食時には宿に着けないのが歴然、なので、宿に電話して夕食抜きに。
今回、動物好きでカヌー初めての新妻ちゃんとの2人旅である。

東京は穏やかな青空なのに…

5時間半もの間、羽田空港で時間をつぶすのは大変であるが、なんとか次の飛行機に。
しかしおねえさんから「乗った飛行機が羽田に引き返すこともございます。ご了承いただけますか?」

いーえ、私の乗る飛行機は、乗っちゃったんだから釧路に着陸していただきます!




三香温泉再訪






というわけで着陸していただきました!

しかし、空港からのバスが釧路駅に着いたときには5時過ぎで…

もうすでに夕闇が迫っておりました。


三香温泉再訪

釧路駅にはサンマやイワシのおいしい駅弁があるので、晩ご飯に買っていこうね。

三香温泉再訪

とにかく先に切符を… と構内を見やると、なんと例の1両の電車が見えるではないか!
えーっ?!  バスが思いのほか早く着いて、1本前の電車がまだ発車していない。
あと2分!  急げー!!

と弁当も買わずにすっ飛んでって… 間に合った! これを逃すと次は1時間後である。

明るければ、雪の溶けかかった湿原にやってくるたくさんの鹿を新妻ちゃんに見せてあげられたのに、
と、私はちょっと残念だった。
電車は時々ピーッともの悲しい汽笛を鳴らして、夕闇の中をゴトンゴトンと走る。


ピーッピーッ  ピーッ ピーッ  カンカンカンカン… ピーッ…  そしてゴットン…

途中で止まった。 
止まった?? なに? 2人で顔を見合わせる。 なに?

そしてアナウンス 「…で …が… して衝突… 点検のため… …ます」
なに? なに? 
ワンマンカーだから運転手さんしかいないのだが、その運転手が扉を開けて外に出ていってしまった…

なに?なに?
私たちは運転台のほうまで見に行き、前方をのぞくも暗くてよく見えない。席に帰る。
ほかの乗客はとりたてて動揺していなかった。私たちだけ?

10分ほどすると「点検が済みましたので発車します」とアナウンスがあって動き出した。
「なんだったんだろうね?」「鹿?」

無人駅をいくつか過ぎて、ピーッ カンカンカンカンカン  ピーッ ピーッ ピーーーーッ!! ゴットン…

また?
今度はハッキリと「鹿と衝突しましたので、点検いたします」
えーっ!! やっぱり鹿と… <衝突>?!

私は吉岡実さんの詩の<とても楽しい衝突 わっ Victory!> という1節を思い出し、
衝突した鹿がどうなったか想像して少々身震いした。
新妻ちゃんも「鹿、だいじょうぶでしょうかねぇ」と、来たそうそう<衝突>初体験。 

三香温泉再訪






鹿は闇の中で光のほうに突っ込んでくるヘキがあるんだって。

もう暗くなった摩周駅。

奥さんが車で迎えに来てくださっている。
途中でスーパーに寄ってもらい、
残り少なくなって半額になった弁当など買いこむ。






三香温泉再訪

新妻、広い部屋に喜び、レンジでチン! してもらった弁当を食べた後、露天に。

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「ただいま」

不思議な気持ちだった。
去年の12月25日の朝にこの露天に入って宿を出て、26日に帰ってきたような、そんな感じであった。

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「ただいま」

お湯はあの日と同じように静かな湯音を響かせ、押し寄せてきた。
風がなく穏やかな湯面も、照らす明かりも、そして見上げると暗い夜空も、
2カ月余の空白が埋まり、昨日の続きのようであった。

三香温泉再訪

どの温泉のどの風呂場にも、固有の時間が流れるように思う。

そしてこの風呂場に流れる時間には、とりわけ独特のものがあるような気がする。

三香温泉再訪

新妻ちゃんもとても気にいってくれたようで、私はちょっとホッとした。

たまたまここを再訪しようとしていたときに久しぶりに仕事で一緒になり、何の気なしに誘ったら
「行きたい!」ということになったのであるが、
もしかしたらもっと旅館らしいところがよかったかしら、と思ったりしたのだ。



三香温泉再訪

そして私はひとり、もう火の消えたストーブの前に立って、溢れてくる懐かしさに近いような感情にしばし身をゆだねた。






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翌日はお天気だった。

今日はカヌーで釧路川下り。
前回と同じコース。楽しみである。できれば雪が降っていてほしかったのにぃ!


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三香温泉再訪


三香温泉再訪

餌が補給されると、雀がすごい勢いで真っ先に群がる。
丸々と太っていて、ここで栄養補給して冬を過ごしているらしい。





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本日の朝食は私たち2人だけなので、食事処でなく1階のお部屋で。


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私たちは2人ともいつも「朝食食べない派」であるが、おなかもすいておいしくいただいた。


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朝食後はコーヒーをいただきながら、エゾリスと野鳥観察。
お水がおいしいので、コーヒーもお茶もたいへんおいしい。

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たまにしか見ないので、野鳥の名前を教えてもらってもぜんぜん覚えられないのね…

エゾリスだけでなく、ヒマワリの種や穀類を目指して、たくさんの野鳥がやってくる。





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カヌーの迎えが来るまで時間があるので、ご主人に和琴半島の付け根のところまで車で送ってもらって散歩。

和琴半島は屈斜路湖にある小さな出っ張りで、雪のない時季は1周歩くのに1時間ほどの小さな半島である。

屈斜路湖の岸辺には温泉が湧き出し、その湖面を氷の断片が浮いているという、珍しい風景が広がる。


三香温泉再訪







湖のそばにある露天風呂。
手を入れるとわりと温か。入るにはぬるすぎ。かつ丸見え。



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半島を少し歩いてみました。

もう雪は柔らかくなっていて、足跡以外のところはズブズブともぐって歩きにくく、うっかりすると転ぶ。



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こうやって転びそうなところで突然私の携帯が…

コケそうになって
「キャー キャー キャーーー」と言っている新妻の姿を見ながら
「あ~ ではPDFで送ってもらえれば、私のほうでプリントアウトして、それをFAXで~」
などと会話するのは…

…すっごく場違い。



三香温泉再訪

なんだかな~ 携帯ってのもな~ 考えもの。

暖かな日差しに、モロモロと雪どけ。



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あーあ、雪、なんで止んじゃうんでしょうか… 
ピーカンになってしまった…


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さて、1時半にカヌーのお迎えの車が来てくれます。





  三香温泉再訪  三香温泉再訪

新妻、カヌーに乗る前のバーチャルカヌー漕ぎです。 「こんな感じ?  こんな感じ?」



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屈斜路湖の岸辺から乗り込み、氷の張った湖に。


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水中から写した氷。

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パドルで氷を割って砕氷船のごとく進みます。

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シャリシャリシャリシャリッ …… 

という、金属音のような美しい音を響かせて、カヌーは滑るように前進していきます。


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そんなふうにカヌーが砕いた氷は、とけずに釧路川の流れを下っていくのです。

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湖から釧路川に入ります。

岸辺にはつららが。


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4本の杭は、昔の木造の橋の跡。

さあ、別世界への旅の始まり。

こんなふうに緩やかに川を下りながら、
静けさの中で小さなせせらぎの音に耳を傾け…

見上げる木々の枝の芽ぶきを発見し…

澄んだ流れの下の小石の鮮やかな色に目を見張り…


三香温泉再訪

                            倒木のアーチをくぐる。

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                     黒いカワガラスの見事な泳ぎなんぞを目撃しながら。



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あっという間に1時間がたってしまったのでした。

「もう終わっちゃったんですねぇ。もっと乗りたいですぅ」と新妻。

だよね~ 6月にまた来て半日カヌーコースに乗ろうね~

「はい~~!」



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上陸して、お次はカヌーのロッジまでスノーシュー初体験。

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けっこう筋肉使います。



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あ~  今回も素敵なカヌーの川下りだった!





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して、帰れば風呂よ~!!





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本日はちゃんと夕食が食べられます。

おお~ すごいご馳走です!  おまけに本日は宿のお馴染みさん5人がいらっしゃり、
秋田の日本酒を振る舞われました。

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トマトとトロ~リチーズの下には、野菜とおいしいタラが。
北海道のタラって、なんでこんなにおいしいんでしょうね~。

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ニラがたくさん入ったチヂミ。

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ホクホクのおじゃがもソーセージも味わい深い。たくさんあって食べきれない!


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2人とも食べすぎておなかが前に突き出てしまいました…

新妻、食後に体操など…





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夜、男湯の露天に入らせてもらった。

1人静かにぬるめのお湯につかっていると、ストーブの周りで開かれているミニ宴会の楽しそうな笑い声がかすかに聞こえてきて、
ふけていく夜のしじまの中で、雪に囲まれた北の大地の温泉の露天にたゆたっている自分の姿を、天高く上がったもう1人の自分が、俯瞰で見おろしているような気分であった。







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毛並みから見て、前回見たエゾリスとは違うように見えたが、
もう春毛に変わりつつあり色も薄くなっているんだそうで、同じリスかもしれない。
胸の白い毛が可愛い。

動物も植物も、こんなふうに季節と同調するすべがちゃんとDNAに組み込まれているのだろう。

鋭くて、しっかりした爪が印象的だった。






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デザートのおしるこ?

甘い汁の中に崩れるくらい煮込んだカボチャと小豆が。
カボチャと小豆を煮る<カボチャのいとこ煮>という煮物があるが、それのおしるこバージョン。
サツマイモが入っている。
お餅を入れることもあるんだそうで。

初めて食べました。おいしかった。






三香温泉再訪

新妻ちゃんも「男湯の露天に入りたいっ!」

入らせていただきました。

塀がないので、湖に向かって開けた林が見える。
やっぱり開放感があってこっちがいいな~

あんなとこ歩く人もいないような気がするから、女湯の塀も取っちゃえばいいのに。


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この露天に、クラシック音楽を流していたことがあったらしい。

もしそのとき来合わせたら、私は2度と来なかっただろう。

湯音が今日もまた、小さく爽やかに響いていた。



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男湯の露天の突き当たりの岩の下に…

三香温泉再訪

なんの木の芽か… つくつくと何本も。

もう春が近い。

三香温泉再訪

かけがえのない時間が過ぎていく。

そして思い出も新たに増えていく。





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今度来た時もまた…

三香温泉再訪

                         昨日の続きのように感じることだろう。



                             ありがとうございました。





三香温泉再訪




なんと本日、北海道在住の宿のお馴染さんご夫婦が、
次の宿「オーロラファームヴィレッジ」まで車で送ってくれることになったんです!









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