幌加温泉 3回目の 鹿の谷

(2011年10月7・8日 2人泊 布団あり<寝袋持参ならもっと安くなるんです>2泊で @7,500円 )








幌加温泉 3回目の 鹿の谷

気温はかなり高いのに、都市間バスの中は暖房が強烈で、
ジャケットを脱ぎ、上着も脱ぎ、Tシャツ1枚になって袖もまくりあげ、それでもものすごく暑くてあえいだ。

あと10分乗っていたら気持ちが悪くなって吐いたかもしれない。





幌加温泉 3回目の 鹿の谷





兎にも角にも、鹿の谷に着いて
女将さんに2階に案内され前回と同じ部屋にお布団が敷いてあるのを見て、
やっとホッとして一息ついたのであった。


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今日は暖かいけれど、3回雪が降ったそうである。





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こっちは南側の食事・お茶の間用の部屋。
テレビはなくなっている。


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窓を開けて露天のほうを眺めやると、日が落ちて暮れていく薄紫の空気の中を
湯気がゆっくりとたなびいていた。





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だれもいなさそうだから、私とまちこは露天に向かった。





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なんなのだろう…

ここに着いて、このお湯につかり、
この景色を眺める。

すると、確かにいつもと違う<時>が流れる。

もしかするとこれが、私という個体の、
そもそも持っていた<時>の進み方なのかもしれない。
おかしな日常の繰り返しで大幅に狂い、よじれてしまったものが、
穏やかに在るべく姿に戻っていく、そんな感じを抱く。


幌加温泉 3回目の 鹿の谷


幌加温泉 3回目の 鹿の谷








静かに静かに山の端の暗さが増して、紅葉した木々の葉もベールをかぶったようにおぼろげに、
見分けがつかなくなっていく。






幌加温泉 3回目の 鹿の谷

お湯の流れる音と、谷のせせらぎの小さな音が、いつまでも耳の奥に響く。







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タクシーを飛ばして買いに行った釧路のイオン、
買ってきたご飯がとてもまずくてがっかりしたが、

まちこはビールのお供に北海道ホテルで買ってきたスモークチキンにご満悦であったし、
バターでソテーした鮭も、みずみずしいレタスも、
駅に店を出していた農家のパリパリのキュウリや水菜、
そしてリンゴもとってもおいしくて、素晴らしい晩ご飯だった。

ご飯、カボチャの煮物やお惣菜類は、イオンより以前買った長崎屋のほうがおいしいと思ったが。
が、しかしそんなことはどうでもよくなり、
まちこと2人で「おいしい!すっごくおいしい!」と喜ぶ。

旅館のありふれた食事よりも、こんなものでもここではどれだけの充足感を得られたことか。








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月が煌々と輝く。だから星は見えない。

たいへん暖かな夜で、露天で交わす言葉も少ない。

この露天に入っているだけで、2人ともしあわせであった。




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暗闇の中に、部屋の明かりがこぼれていた。







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自称・早起き、のまちこは起きてこない。

私がお湯を沸かし終え、コーヒーを淹れる頃に
「おはよう、私ずいぶん寝たみたい」
と、現れる。

いいんじゃない?  寝すぎても。





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お~お いいお天気!




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朝の陽ざしの中で、木々が今年最後の輝きをみせる。

もうじきやってくる厳しい冬の前の、つかの間の美しい紅葉。

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そんな風景を眺めながら、まちこと取りとめもない話をし、お湯に揺れる。



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                      露天の正面のもみじは、紅葉まっただ中であった。

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お風呂から出て、ますやのパンを焼き、目玉焼きを作って食べた。
よつ葉牛乳も飲んだ。

「おいしいね~」
「パーフェクト!」

贅沢であった。







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下の幌加温泉は、ご主人が亡くなられて、やっていない。


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建物は特に傷んだ様子もなく大きな変化は見当たらないが。


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ガラス戸に「休館いたします」と、寂しく貼り紙されていた。




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そんな人間界の出来事とは無関係な鹿たち。



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秋の日差しを浴びて、多分頭の中は草を食べることだけ。





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まちこと下まで散歩。

ここも廃業して久しい幌加温泉の湯治部。


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川の見える露天は、とても良かったらしい。


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少し降りていってみると、露天の跡があった。




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本当に川のすぐ目の前にあり、小ぶりだが自然の中のいいお風呂であったようだ。


真ん中からお湯が出ていたのだろう。
今は雑草が生い茂り、苔むしている。




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建物もさほど傷んでいる様子には見えず、
館内をお掃除してお湯を通せば、
すぐにでも営業できるような印象であった。


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お湯の濃さの面影のある波状の堆積物の上には、波状の苔がはえていた。

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私たちは、あちこちに落ちている鹿のフンを踏まないように慎重に道路まで出て、
もと来た道を引き返す。




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振り返って上から見ても、いまも営業しているようにさえ見えるのに…

もったいない…

などと思った。




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女性専用のお風呂は、殿方は入れなくてかわいそ!

あら! ガラス戸が以前より大きく開いていた。誰か怪力の持ち主が開けたのかしら~

ありがた~い、風が通って気持ちいい!

       

       

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お湯に入りたいんだけど異常に熱くて、前回もミセス温泉と2人で湯もみ板でかき回し桶に水を入れてうめるってのでやっと入ったんだけど、今回はそれ以上に熱くて、まちこと2人で汗だくでかき回し水投入、も埒が明かず、私は決心して
「女将さんに水道の蛇口の栓を借りてくる」




       

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服を着て女将さんを探し、一段と耳が聞こえなくなってしまった女将さんに身ぶり手ぶりで伝え
「お湯が熱すぎるんですね?水道出しますか?」

激しくうなずいて、水道の栓を借りてきた。




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これですよ、これ!

以前は蛇口に付けたままだったんだけど、水を出しっぱなしにして忘れちゃう輩がいるのね。
それで取り外していまは女将さんが持っているの。

昼間は借りられるけど、夜はいちいち借りに行くのがはばかられるねぇ。



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だから、夜中とかお湯が熱かったら涙を飲むしかない…  か?

そうか… 次回来るときは東急ハンズでこの栓を調達してくればいいのよ!
マイ<栓>持参でくればいいんだわ~!  これは忘れないようにせねばね!!



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30分後、まちこと私はやっとまったりと女湯につかった。




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無色透明に見えるけれど、たくさんの湯の花が舞っているのね。


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大きく開いたガラス戸から、時々涼しい風が入ってくる。



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怪力さんに感謝!



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こうして…   とろけた。









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1階の日帰りのための休憩室には、新しい地デジ対応のテレビが入っていた。



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宿泊客もここでビールなんぞ飲んだりしている。







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幌加温泉 3回目の 鹿の谷

今日はポークソテー、蒸しレタス添え。それと女将さんから貰ったトウモロコシを使ったポタージュ。

「おいしいねぇぇ」  「ほんとにおいしいねぇ」

至福。  まちこビール&ワイン。 私ワインちょびっと。







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夜10時過ぎにはまちこは寝てしまい、私は1人で婦人風呂に。

幌加温泉 3回目の 鹿の谷

静けさと心地よさの中で、出るのがいやになってしまう……

幌加温泉 3回目の 鹿の谷

そんな秋の夜長のひととき。







幌加温泉 3回目の 鹿の谷

湯上がりに寝酒のビールをたしなむ。

1人でゆっくり、ゆっくりと。





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寝る前に窓を開けたら。

ガサガサバサッ と、真下に巨大なものが動いて  ギョッ …

大きなお母さん鹿と小鹿2頭がいて、こっちを見上げていた。
鹿3頭と人間1人、お互い見つめ合って数秒固まるが、やがてお母さん鹿の口がモグモグと動きだし、
小鹿もモグモグと口を動かしだし、3頭、移動していった。

月夜の鹿たち。今夜もたくさんお食べ。








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幌加温泉 3回目の 鹿の谷





今度会う時まで、元気で大きくおなり。


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ごくそばまで近寄っても、気にせず食べている。

食べるのと出すのとを、
同時にやってるんですね~
初めて知りました。
排出するために食べるのを止めるなんて、時間の無駄!というくらいせっせと食べないと、
厳しい冬を乗り切れないのでしょう。








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「よかったね~。また来たいね」とまちこ。   「うん、また来ようね~」







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女将さんがお馴染さんに声をかけてくれて、車でバス停まで送ってもらった。
女将さんが
「東京からしょっちゅう来てくれる方なんです」という男性は
「2日あきができるとすっ飛んで来るんです」とおっしゃった。
旭川空港からレンタカーで来るそうだ。

私も金があるなら度々すっ飛んで来たい…




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お湯と自然が素晴らしいだけでなく、みんな女将さんのお人柄に惹かれてやってくる。

送ってもらったバス停で、その男性が
「このあたりに熊が出たから、バスが来て乗るまでいてあげてください、と女将さんに言われたから」とエスコートしてくれるのを断り、
(だって<熊奉行のまちこ>がいますからね~)

私たちは5分ほどでやってきたバスにつつがなく乗り込み、十勝晴れの牧草地を通って帯広に向かった。




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帯広で有名な「インディアン」というカレー屋さん。前を通ったら、カレーのいい香りが漂ってきた。

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あまりメニューもよく見ないで「シーフードカレー」を頼んだけど、これがこの店で一番高いものであることに、あとになって気付いた。
703円也。安い~ プリプリ海老や、アサリ、ホタテ、イカなどがゴロゴロ、ナスとししとう入り。
甘口、懐かしいおいしさだった。
一番安いインディアンカレーというのは、390円くらいでとてもリーズナブル。

まちこ、帯広やたら気に入る。





       


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今回帰りの飛行機までの時間があるので、大正、という町の小さなケーキ屋さんに寄ってみた。
路線バスで降りたときには、あたりはすでに暗くなっていた。


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店に入ると、惜しげもなく使っているバターのいい香りが充満していて、すれ違って外に出る人はみんなソフトクリームを持っている。

車の中で食べるらしい。


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キャベツとバターナッツ2個を抱えた私は、もはやケーキを持って帰る自信はなく諦めたが、
150~180円くらいの価格のケーキ類はどれもおいしそうで、買っていく人たちの注文の数が半端ではない。

「これ、4個、そっちのも4個、あれを3個… えーっとそれを2個」とか…

つまり東京で1個450円のケーキを家族4人で1個ずつ食べると1,800円だが、
この「お菓子の館 あくつ」で買うと、1,800円出せば10個以上買えるのね。
つまり家族2個ずつ食べて、2個余るのよ。だから子供は3個食べられるわけよねっ。

そして!うまいのよ~! 絶対ペロッと2~3個いけちゃうの!
いや、食べてないけどさ、食べなくても分かるおいしいたたずまいしてたのっ!



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まちこと私は、呼んでもらったタクシーが来る間にソフトクリームを食べた。230円也。
粘り系のトロッと糸を引くような感じの、そしてなめらかでいい香りのミルクと、コクのあるおいしい脂肪分の爽やかな甘さを堪能した。

「住むなら帯広だよ!」というまちこの言葉に、私は深くうなずいたのね。

ソフトクリームで始まった帯広の旅は、ソフトクリームで終わった。



タクシーに乗るために外に出ると、ヘンなにおいがした。
「なんかヘンなにおいがしない?」
まちこもクンクンして
「うん、する。さっきバスを降りたときにはしていなかったのに」

乗りこんだタクシーの運転手さんに
「この辺、牧場あります?」と聞くと
「ああ、街の周辺は全部牧場だよ」

なーるほどね。で、まちこに言った。

「帯広、住むんだったら場所を選ばないとね」
「…そーだね」












幌加温泉 3回目の 鹿の谷


帰った翌日は休日だったので、余韻を楽しんで家でゴロゴロしていた。
キャベツはあるし、「お菓子の館 あくつ」で買ってきた焼き菓子はあるし、今日は外に出かけなくていいわ、と思ったんだけど。
タバコがなくなっちゃった… 我慢するかな~ しかし一日中家にいるってのも健康に悪いか。

というわけで、お昼頃タバコを買いに行ってきて、マンション全体の郵便受けのボックスの上を見たら……
え ???   !!!





郵便受けのボックスの、私の目の高さのところに、
ポンッ と置かれている水道の蛇口の栓。
(なぜいまここに水道の蛇口の栓が置いてあるん? そんなにあちこちに転がっているようなものでなし )

耳元で神の声が聞こえた。

「 コレハ オマエ ガ ノゾンデ イタ モノデ アロウ    サア モッテ イキナサイ 」






もちろん神の声に従いましたわよ。
その結果、東急ハンズに行かずに<マイ栓>ゲット!できちゃった。 
で、思ったのね。



「私って…… ちょっとスゴイかも」










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