神奈川 油壺 観潮荘

(2012年6月30日 2人泊 @13,750円)








神奈川 油壺 観潮荘

なんとなく母を、三浦半島に連れて行きたかった。


神奈川 油壺 観潮荘



三浦半島の先端のほうは、私と亡きパートナーの思い出が色々ある。

それに三崎はマグロで有名なところだし、刺身好きな母は喜ぶだろう。
(もっとも私は三崎のマグロは全然買っていないのだ。いつ食べてもドリップが出ていた)






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夏らしくすごく暑い日で、
けれど夏休み前の三崎口は、
学校帰りらしい高校生の集団がバスに乗った後は、閑散としていた。


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三崎口からバスで20分ほど、終点で降りると、バス停の脇には色とりどりの百合や紫陽花が咲きほこっていた。



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真っ黒に潮やけした土産物屋のおばさんが、天草のゴミを取っている。



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売れるんだろうか、この土産……





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母と「日傘持ってきてよかったね」と言いながら
5分ほど歩く。

「あらまあ、ヤシ? 大木ね」「うーん…… ヤシの仲間?」

温暖な気候なんだろう。



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<海側のお部屋>を予約しておいた。2階に案内される。
母も私も、海を眺めるのが好きだ。

「あ~ 船だわ」 とか 「トンビが飛んでる」 とか言いながら。ぼんやりと。


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ここに座って夕食までの時間を、そんなふうに過ごすことが目的なの。





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うんうん、これならいいわね~!



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ガラス戸を開けてテラスに出ると、海からのかすかな風が爽やかだった。






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三浦半島らしい、岩場と小さな砂浜が入り混じり、複雑な地形は見飽きることがない。



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「あそこが伊豆半島?」と母。
「いや~ そこまでは見えないでしょ~ 三浦半島の一部が見えてるんだと思うけど」




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「そうなの? あとで椅子に座ってゆっくり見ようね」

2人でテラスから部屋に入りながら、私は何か奇妙な感じを抱いた。
(なんでこんなに静かなんだろう……)

けれど風呂に入りに行くので、そんなことは忘れてしまったが。





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ガラス戸を開けたせいか、部屋はすごく暑くなり、慌てて冷房の温度を下げる。
古い部屋だが特に支障はなく、テレビも冷蔵庫もあり、こんなもんで十分。






    神奈川 油壺 観潮荘    神奈川 油壺 観潮荘


使わないバスルーム、ちょっと無理して作り直したらしいトイレはシャワートイレ。










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地下に大浴場、一応露天風呂もあり海も見える。
本日土曜で日帰りの人がいっぱい。そして!

思いもかけなかったことに、さら湯じゃなくてしょっぱい!!

母も私もほぼ同時に気づき
「しょっぱい!」
「やばい!」

ほうほうのていでさっさと上がる。
私たち、食塩泉に弱いのー。
そしてこのお湯、海水?みたいな感じ。




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テレビを見ている、という母を部屋に残して、
散歩。
日が西に傾き、幾分涼しくなってきた。

海に向かう道があるようだった。




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整備された小道を下っていくと右手には東大地震研究所の施設、そして左側は海に。

潮風にさらされる木々の枝が複雑に伸びている。





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木々の途切れたところから下を見ると、油壺湾の入り組んだ地形が望めた。

あそこまで降りて行けるのだろうか。




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小さな秘密の浜辺のような砂浜があちこちにあり、そんなところを見つけると、
まるでプライベートビーチを所有したように、ちょっと得意になったものだが。








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そのまま道なりに下り、海辺に辿り着いた。

海開きはまだ先なので、海の家も建設中である。






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今日は暑いので、車が何台か停まっていたが
みんなそろそろ帰るのであろう。












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傾く日差しの中で、親子であろうか、浮き輪をつけた子供の楽しげな声が響く。
立ち去り難く、いつまでも遊んでいたいのだろう。

穏やかな海であった。







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そして、穏やかに寄せて返す波であった。





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波のゆりかごで洗われ、丸く小さくなり、やがて砂粒になる。

貝も骨も……


地球に還る。











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いろいろな思い出がよぎるが……





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おしなべて
残光の中に消えていく……




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写真という常に過去のもの、を撮る私は、なにを探しているだろうか。

あるいは、なにを探すまいとしているのだろうか。









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上り坂をゆっくりと戻った。
あー!! 蚊に刺されっちまってるわ!!

見上げれば <ホテレ 観潮>  直す気はないみたいですね~。



部屋に戻ったら暑い!
椅子に座って海を見ていた母も「暑いわね」

クーラーのLEDが点滅してる。なんでちっとも冷えないんだ??
フロントに電話「クーラーが効かないんですけど」

お兄さんがすっ飛んできて、椅子にのって点検。
もう1人やってきて 「室外機見てみて」 「あー 室外機、回ってません」

あ! それか!
さっき私は室外機があるテラスに出て、違和感を覚えたのは。

というわけでお部屋替え。だけど今日は海側のお部屋は満室だったわ、どうするんでしょね。
母も落ち着かず「これから移るの? 荷物まとめなきゃね」

ぼんやり海を見るはずが……





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1階の露天付きのお部屋です。

いや~ いと母の喜びたる。

「これで夜も入れるわね。いいわね~ 嬉しいわ」

瓢箪から駒。


しかし私は、部屋の向こうに見えるのは露天、という風景にがっかり。
喜んでるから、まっ いいか。


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しょっぱいお湯でなく、さら湯なのはすごく良い。
要らないけどジャグジーやらライトやら付いてる。

湯量豊富であっという間に溜まる。










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あんまり海は見えないな~

かつ夕食の時間が近づいている。



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部屋方向はこんな感じ。
部屋の中にシャワーブースがあったり、




神奈川 油壺 観潮荘

意味不明の洗面台があったりする。



   神奈川 油壺 観潮荘   神奈川 油壺 観潮荘

そのほかに洗面台がある。冷蔵庫、けっこう広めのトイレ。

仕方ないが、なんかびみょー。









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夕食は食事処。

電話で予約の時に
「まぐろづくし膳というのもありますが」と言われ
「どういうものですか?」と聞いたら
「お出しするお魚はすべてまぐろ、というものです」

ぎょっとなって
「スタンダードのでいいです」

すべて ってね…… 一番好きじゃないタイプね。



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スタンダード、量も控えめでほど良く、バランスがとれていてホッとしました。

刺身は私の分を母に進呈。



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窓際、暮れていく海を眺めながら、なかなか結構でした。



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鍋、カジキマグロの薄い切り身、そして三浦野菜。
おだしも薄味、野菜がおいしい。



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三浦ポークと三浦野菜。
この豚肉、柔らかで脂身のおいしい、さっぱりした豚肉、
人参の味の濃さと甘みがとってもよござんした。



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魚介の串揚げ、カラッと揚がっていてこれもなかなかおいしかった。
結果として、ご飯は要らないほどの食べ切れない量だった。



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デザートは2口ほどのマンゴープリンだったから、お持ち帰りしないでここで食べられた。

ちょうどよかった。









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夜、母がいそいそと
「じゃあ、お先に入るわね」と言って露天に入り、

「ああ、気持ち良かった。そろそろ寝るわ」

と寝てしまい、私は電気を消してテレビを見るにしても
いったいどうやったら母のほうに光が当たらないようにできるか途方に暮れたのであった。





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ジャグジーは使わなかったが、ライトはあれこれ点けてみた。しかしちっともおもしろくなく、
かつお湯から上半身を出して操作していたため

また蚊に刺されっちまった……





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缶ビールを片手に風呂の脇に立って、しばらく暗い海を眺めた。

三崎の知り合いの別荘で、夜の海を眺めていたことを思い出しながら。

そう…… あのときは流れ星が見えた。

流星群の日だった……







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翌日は曇って、とても涼しかった。





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朝風呂。



神奈川 油壺 観潮荘



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マグロは母に進呈。





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ほかのものはおいしいのに、この味噌汁はいけてません。
母も
「これ、ちっともおいしくないわね」








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だけどデザートのオレンジは
「とっても甘くておいしいわ」と言うので
「私の分も食べなさい」
「え? おいしいわよ、いいの?」と言いながら、平らげる母であった。







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今日は日曜日なのに、釣り人が車に乗る姿がチラホラ見えるだけで、
相変わらずひっそりとしたバス停近辺。

なんだか時代に取り残されたような土産物屋が2軒。
船を持っていて副業があるのか。





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「お部屋も露天付きになって、よかったね~」と帰りも喜ぶ母。

上野駅に向かう途中の信号を渡る時、ふと後ろを振り返ると母が見えない。
しばらく待っていると小走りに駆けてきて
「ああー 一生懸命後を追ったんだけど、追いつかなくって」
と笑った。

「ごめん、ごめん」と言いながら私は、内心自分の想像力の無さに舌打ちしたのである。




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90歳間近になった母である。
元気なうちに、あと何回共に旅行できるであろうか。

私の厳しい懐具合をやり繰りして、1回でも多く旅行すべきか……





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あるいは成り行きに任せて
行ける時に行き、
行けなければ敢えて行かずという自然な状態……

そんなふうにすべきか。






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どちらにしても、
そんなことを考えられる状況にいる私であるということは

感謝のひと言に尽きる、と、ありがたく思う。





















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